遺品整理で困りがちな「金庫」の処分
あなたのご実家に金庫があるかどうか、ご存知ですか?「そういえば、昔から奥の部屋に黒い金庫があったな」という方もいれば「今実家の中がどうなっているか全く知らないし、ましてや金庫があるかどうかなんて分からない」という方もいるかも知れませんね。仮に金庫があることを知っていたとしても、開錠方法まで知っているという人はかなり少ないのではないでしょうか。
遺品整理の難関「金庫」
親が亡くなった後、実家に残された大量の遺品の片付けに苦労した、という話は非常に多いです。業者に処分を依頼して多額の費用がかかった、遠方のため日程の都合をつけるのが大変だった等、さまざまな苦労話がありますが、そのひとつに「金庫」の処分が挙げられます。
金庫とは、現金や通帳・印鑑、証書類などの貴重品を火事や盗難から守るためのものです。遺品整理中に金庫が見つかれば、まずは開けて中身を確認する必要がありますが、開け方が分からないというケースも多々あります。暗証番号がどこかに書き残してあれば良いのですが、どこに書いてあるかも、そもそも書き残されているかどうかも不明で途方に暮れてしまう、ということも珍しくありません。
こういった場合、一般の人が自力で開けられる可能性はほとんどないと考えて良いでしょう。素人がカチャカチャと適当に回しただけで簡単に開いてしまっては、そもそも金庫の意味がありませんよね。金庫の鍵開けは、やはり信頼できる専門の業者に相談するのがベストです。独自のノウハウを持ったプロですから、古くから使われている最も一般的なダイヤル式のほか、テンキーで暗証番号を入力するタイプやキーだけで開錠できるシリンダー式のものなどさまざまなタイプの金庫に対応可能です。
開けた後の金庫の処分
無事金庫を開けることができ、中身の確認ができたら、あとは用済みになった金庫の処分です。
家庭用の金庫は重いものだと100kg前後あり、場所を動かすだけでもかなりの重労働です。リサイクルショップまで自力で運ぶのも大変ですし、ネットオークションやフリマアプリで売れたとしても送料が多額になってしまいます。何より、遺品整理のときは金庫以外にも片付けるものが数多くあるため、金庫ばかりにそれほど多くの手間暇をかけてはいられません。
最も手軽なのは、金庫を開錠してくれた業者に引き取ってもらう方法です。もしこういったサービスがあればぜひ利用してみましょう。ほかに、金庫を購入した店が分かれば引き取りの相談に応じてもらえる場合もあるようです。出張手数料・引取料を支払ってでも、引き取りを依頼できればそれが一番楽な方法です。
なぜかというと、金庫は粗大ゴミとして出すことができないためです。一部には、持ち運びできる手提げ金庫であれば少額の費用で回収してもらえる自治体もあるようですが、特殊な素材が使われた大きくて重たい耐火金庫などはNGです。この点も、遺品整理のなかでも特に金庫の処分は大変だと言われる理由のひとつです。
金庫の耐用年数
見た目はまあまあ綺麗でまだ使えそうな金庫だし、どうせ処分するのにもお金がかかるなら、自宅に持ち帰って使おうかと考える人もいるかも知れません。
しかし、金庫の耐用年数は意外と短いもの。金庫というとガッチリと頑丈で半永久的に使えるものというイメージもありますが、金庫の業界団体である日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会によると、金庫の有効耐用年数は約20年だそうです。製造後20年を過ぎると、内部に充填された耐火材の成分変化によって本来の耐火性能を発揮できなくなってしまうそうです。
もし遺品整理で見つかった金庫を再使用する場合、製造年月を確認し、まだ耐用年数に余裕があるか確認してから使ったほうが良いでしょう。